大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和35(オ)529 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人鈴木多人の上告理由第一点(一)(上告状記載の上告理由中関係部分

を含む。以下論旨各点についての判断につきまた同じ。)について。

上告人の所論債権譲渡とは、被上告人と訴外D間の味噌売買契約におけるDの買

主たる地位(売買代金前渡金二〇七、○○○円についての権利を含む買主としての

すべての権利義務)の譲渡を指すものであることは、その主張自体に徴し明白であ

り、かかる譲渡が有効に成立するためには、特段の事由がない限り、買主であるD

と譲受人である上告人の合意のみでは足らず、売主である被上告人をも加えた三者

の合意があつて初めて可能なのである。したがつて、原審が所論主張の趣旨を、右

買主たる地位の譲渡が昭和三三年二月九日上告人およびDの代理人Eが被上告人方

に赴き三者合意のうえで行われたとの意味に理解して原判決に摘示したのは正当で

あつて、論旨は採用に値しない。�

同第一点(二)について。

所論は、原審認定事実にそわない事実を前提として、原審の専権に属する証拠の

取捨判断ないし事実認定を非難するもので、採用することができない。

同第二点について。

所論本件手形金の支払に関し、昭和三三年五月二〇日までに被上告人よりF商会

(原判決中所論指摘のようにF商店とあるのは明白な誤記と認める。)のDに味噌

を送付すればその代金で決済してもよいという特約があり、かつそれが履行された

ため右手形金は決済ずみであるとの事実については、原審が弁論の全趣旨から被上

告人により主張されたものとして右事実を認定したものであることは、原判決の判

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文上明瞭である。そして、被上告人の援用にかかる原審における被上告人本人尋問

の結果中右事実に符合する供述があること等にかんがみれば、原審が、原審におけ

る弁論の全趣旨から右の如き被上告人の主張あるものと判断したことをもつて違法

とすべき理由はない。�

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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